ONWARDグローバルコース:講師とのインタビュー

みなさん、こんにちは!

ONWARDグローバルコース開始まで残りわずかとなりました。そこでONWARD Japanでは、みなさんに講師の方々をもっと知ってもらうために、ONWARDグローバルコースを教える講師とインタビューを行いました。

今回のグローバルコースでは、アメリカの写真教育の分野で活躍している写真家を講師として招いているところが大きな特徴です。アメリカ教育の仕組みでは、写真家、また教育者としての視点のバランスをとりながら、生徒の成長に役に立つことを教えるスキルが求められています。今回のインタビューを通して、そのバランスについて各自の思いを語ってもらいました。

Robert Lyons/ ロバート・ライオン

教育者、また写真家としても長く活躍し、コネチカット州ウェストハートフォードのHartford Art School写真学科修士課程のディレクターを務める。この修士課程のコースは米国をはじめ欧州でも広く個展が開催され、各地で講演を行っている。また、作品はニューヨークのMetropolitan Museum of Artなど数多くのコレクションに収蔵され、写真集も多数発表している。Yale University写真学科修士課程修了。マサチューセッツ州在住。

http://www.robertlyonsphoto.com »

ONWARD: あなたが教育現場に立つ理由は何ですか?何故教えることは大切だと思っていますか?

Robert: 自身の経験を作品、また可能ならば教育を通して他者に分け与えることは、アーティストとしての義務だと思います。教育とは2方向のプロセスです。私と生徒の両方が歩み寄り、うまくいくとお互いがお互いから学びあえるのです。このことは私自身の作品を深める助けとなるとともに、他者の新しいアイデアや制作方法に触れる機会となっています。

ONWARD: 教育者として1番記憶に残っている出来事は何ですか?

Robert: 生徒の情熱に火が点き、自分のアイデアを押し進めるのを目撃する時です。生徒が作品に没頭し、その過程から学ぶのを見ることが、教師としての最大の報酬です。Dorothee Deissが良い例でしょう。彼女とは5年間を共にしました。彼女は最後の1年半、作品と彼女自身を一貫させることに非常に苦労していましたが、ある日突然全てが一体となり修士課程の卒業制作ステートメントと作品である本という形で完成しました。これは、とても心に残る出来事でした。

ONWARD: 誰の作品から最も影響を受けていますか?また、どのようにあなたの考え方や写真活動、進路に影響しましたか?

Robert: これは難しい質問ですね。主にMinor White(マイナー・ホワイト)、Lee Friedlander(リー・フリードランダー)、Elaine Mayes(エライン・マイエス)、Tod Papageorge(トッド・パパジョージ)、John Szarkowski(ジョン・シャーカウスキー)、Helen Levitt(ヘレン・レヴィット)から影響を受けています。

Minor Whiteの政策手段への献身と”the equivalent(同等物)”の構想に関するアイデア、John Szarkowskiの執筆と彼が主催した展覧会で見せた知性、Helen Levittの精神と他者への真の思いやり、自分に合っていると信じた道を突き進む信念に影響を受けています。

ONWARD: 関心のある日本人写真家はいますか?

Robert: はい、たくさんいます。特に、鬼海弘雄と金村修に関心がありましたが、最近では楢橋朝子や畠山 直哉、最近作品を見るようになった他の写真家にも興味があります。

ONWARD: 自身の写真教育はどうやって続けていますか?

Robert: 主に読書や(村上春樹がお気に入りです)音楽を聴いたり、絵や政治の勉強をすることでt続けています。これらは私がとても興味を持っている事柄で、なぜか私の写真活動にも影響します。


Jörg Colberg / ヨルグ・コルバーグ

Jörg M. Colbergはマサチューセッツ州ノーサンプトン在住の作家、写真家、また教育者。2010年には、Massachusetts College of Art and DesignとRhode Island College of Designで教える傍ら、ハートフォードにあるHartford Art Schoolに新設された国際Limited-Residencyプログラムである写真学科修士課程の教授の一員となった。2012年にはHartford art Schoolの助教授となった。彼のウェブサイト、Conscientious は2002年の開始以来、多くの読者を抱え多大な影響力のある、コンテンポラリーファインアート写真界に関するブログの1つとなっている。

http://jmcolberg.com/ »

ONWARD: あなたが教育現場に立つ理由は何ですか?何故教えることは大切だと思っていますか?

Jörg: 教えることは学ぶことです。私は、教えると同時に生徒から学ぶことができなければ、真の意味での教育ではないと考えています。生徒から学ぶということは、何かをより明確にすることであったり、新しい地点へ到達すること、もしくは以前は無関係に思えた事柄の関連性に気付くことであったりします。また、教育には寛大さの概念も含まれています。教えるということは自分の知識と、理想的には自分の情熱を他人と分け合うことだと考えています。

ONWRAD:教育者として1番記憶に残っている出来事は何ですか?

Jörg: 教育者として最も貴重な瞬間は、生徒の中で何かが繋がったり、アイデアが軌道に乗った時です。この瞬間、教師は生徒の後ろに取り残され、あるいは教師から仲間へと変化します。これが教師としての最高の時です。これは滅多に起こることではないですが、様々な状況で起こるところを見てきました。

ONWARD: 自身の写真教育はどうやって続けていますか?

Jörg: よい写真家、作家、あるいは他の分野の芸術家であるためには、継続してその芸術とその世界に従事しなければならないと考えています。芸術は、情熱と世界に対する興味がある時に成長するものです。しかし、自分の視界を様々な方法で広げることも同じくらい大切です。私は作家、評論家、写真家、そして教育者ですが、絶えず写真の新しさを発見しています。

写真教育は写真だけから得るものではありません。もちろん、何が起こっているのかを知ることは大切です。他人の作品を見ない写真家はたいていの場合、よい写真家ではありません。しかし、自分の視野を自分の分野以外の方法で広げることも大切です。私自身は、たくさん本を読みますが、同時にたくさんの絵を鑑賞します。

ONWARD: 写真や写真家以外で、インスピレーションを受けるものはありますか?

Jörg: 絵の鑑賞の他に、たくさんの本を読みます。しかし、インスピレーションは様々な形で訪れるものです。重要なのは、注意を払っているかどうかです。自分の周りや世界が何を提供しているのかに注意を払っていれば、インスピレーション自らやってくることでしょう。

ONWARD: 写真家として1番記憶に残っている出来事は何ですか?

Jörg: 教育者として1番記憶に残る出来事と同じように、私は写真活動の際に、何か記憶に残る特定の出来事を探すことはありません。例え探していたとしても、覚えていないことでしょう。特定の出来事を追い求めることは無駄なことだと思います。

私が写真を好きなのは、写真から得られるものが、以前は単独の小さな出来事や写真であったものが、一緒になることで単独で存在していた時以上のものに変化した結果であるからです。ある特定の瞬間を選び出すことは、私にはできません。このようにして捉えると、写真とは経験なのです。

ONWARD:Conscientiousブログを開始した理由は何ですか?

Jörg:このウェブサイトの目的は、写真についての詳細な評論を写真家に提供することです。このような文書は写真界、また自分の作品の中をナビゲートする手助けとなり、写真家にとってとても大切であると考えています。


Kylie Wright / カイリー・ライト

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オーストラリア生まれの写真作家。現在はフィラデルフィア在住で、フィラデルフィアのDrexel UniversityとニューヨークのSchool of Visual Artsの写真学科で教鞭を取る傍ら、フリーランスのデジタルアーティストとしてデジタルプリントサービスを提供している。クライエントにはGregory Crewdson(グレゴリー・クリュードソン)、James Casebere(ジェームス・ケースベア)、Robert Bergman(ロバート・バーグマン)、Andrew Moore(アンドリュー・ムーア)、Robert Polidori(ロバート・ポリドリ)、Taryn Simon(タリン・サイモン)、Elizabeth King(エリザベス・キング)等が含まれる。

http://www.kyliewright.net »

ONWARD:自身のどの作品を最も誇りに思いますか?

Kylie:場合によります。私自身の作品について言えば、たいていの場合、1番最近に制作した作品になります。今ならば、現在作成中の”Forgotton Florida”というプロジェクトです。他の写真家と制作する職業上の作品では、Gregory Crewdsonのプロジェクト、”Beneath the Roses”とAndrew Mooreの最新のプロジェクト”Dirt Meridian”が1番記憶に残っています。

ONWARD:誰の作品から最も影響を受けていますか?また、どのようにあなたの考え方や写真活動、進路に影響しましたか?

Kylie:Stephen Shore(スティーブン・ショア)、Joel Sternfeld(ジョエル・スタンフィールド)、Richard Misrach(リチャード・ミズラック)から多大な影響を受けました。またとてもラッキーなことに、これらの写真家本人と彼らの作品制作に関わる機会もありました。

ONWARD:自身の写真教育はどうやって続けていますか?

Kylie:フリーランスのデジタルプリントサービスの提供を通して、日々多くの新しい写真家と出会っています。また、日々写真を撮り続けることは、それだけでよい教育だと思っています。

ONWARD:写真家として1番記憶に残っている出来事は何ですか?

Kylie:これは私が20代の時の出来事です。その頃私は、バージニア州リッチモンドにある使われていない水力発電プラントの写真を撮っていました。せまく、暗い空洞の中を歩き、角を曲がると、天井の穴からいくつもの壮大な光が差し込む巨大な空間に辿り着いたのです。汚い、工業空間であったにもかかわらず、まるで大聖堂に迷い込んだようでした。

ONWARD:関心のある日本人写真家はいますか?

Kylie:杉本博司の作品がとても好きです。また、森真理子、荒木経惟、東松照明の作品にも興味があります。日本からはたくさんの素晴らしい写真家が幅広く輩出されてきていますね。

グローバルコースの詳細 →


今回のグローバルコースについてディレクターであるイトウツヨシとのインタビューも読んでみてください。

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